2015年09月
2015年09月29日
第一中央汽船(株)
市場 | 東1 |
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コード | 9132 |
発行株数 | 416,269,551 |
単位株数 | 1000 |
倒産時株価 | 28 |
廃止時株価 | 1 |
倒産日 | 15.09.29 |
メモ/記事引用
第一中央汽船(株)(資本金289億5841万150円、中央区新富2-14-4、代表藥師寺正和氏ほか1名、従業員154名)は、9月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は福岡真之介弁護士(東京都港区赤坂1-12-32、西村あさひ法律事務所、電話03-5562-8500)ほか。監督委員は宮川勝之弁護士(東京都千代田区丸の内3-3-1、東京丸の内法律事務所、電話03-3213-1081)。当社は、1933年(昭和8年)9月設立の第一汽船(株)と42年(昭和17年)5月設立の中央汽船(株)が対等合併し、60年(昭和35年)10月に新設会社として発足。同年12月に東証1部上場を果たした。鉱石や石炭、ボーキサイト、ニッケル鉱石を中心に木材や穀物等の撒積貨物、鉄鋼製品、原油などを扱い、外航不定期航路部門では大手に位置づけられていた。日本と中国の外航定期航路と内航不定期航路を加えた内外航海上輸送を行い、多種多様な輸送貨物に対応。住友系企業が上位株主に名を連ね、同グループ系企業を主な顧客としていた。新興国の成長や鉄鉱石・石炭など撒積貨物の荷動きが活発だったことで好調な運航が続き、世界的に船舶量が増加するなか、2008年3月期の年収入高は約1666億2700万円を計上していた。しかし、リーマン・ショック後の受注減少、燃料費の高騰、円高の影響等で経営状態が急速に悪化。2010年3月期の年収入高は約1007億7100万円に減少する一方、運航隻数(グループ)は161隻に増加していた。その後は円安進行による円換算での業績押し上げもあり、2013年3月期の年収入高は約1292億4600万円に持ち直すなか、所有船の売却や運航費の圧縮などを進めていたが、為替変動や燃料高に加え、保有船舶の減損損失や造船契約の解約金等の特別損失を計上したため、約323億100万円の当期純損失を計上。筆頭株主の(株)商船三井(東証1部)が増資に応じるほか、投資ファンドなど複数の支援を得て再建を進めていた。他方、2006年12月に中国企業より傭船した船舶が座礁し、全損になった事故の損害賠償責任を巡り、2013年7月に英国高等法院より第一審判決にて1億6660万ドルの支払いを命ずる判決が出されていた(その後、2015年1月の第二審判決では賠償責任がなくなり勝訴)。そうしたなか、市況の悪化により2015年3月期は年収入高約1237億9000万円に対し、当期純損失約26億6000万円を計上。4期連続の最終赤字となるなか、運航隻数は172隻に増加するなど、過年度の設備投資負担が経営を圧迫、ここに来て民事再生法による再建を目指すこととなった。また、当社100%子会社のSTAR BULK CARRIER CO.,S.A.(パナマ共和国)も同日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債は2015年6月末時点で第一中央汽船(株)が約1196億800万円、STAR BULK CARRIER CO.,S.A.が約568億5900万円で、2社合計で約1764億6700万円だが、今後の民事再生手続きにおいて増加する可能性がある。海運業者の倒産としては三光汽船(株)(1985年8月会社更生法、負債5200億円)に次いで過去2番目となる。