2008年07月

2008年07月24日

三平建設(株)

三平建設

市場ジャスダック
コード1908
発行株数53,942
単位株数1
倒産時株価10610
廃止時株価53
倒産日08.07.24
廃止日 
負債16,774百万円
資本金
1,625,888千円
所在地
東京都
態様
民事再生法

メモ/記事引用
「東京」 ジャスダック上場の中堅ゼネコン、三平建設(株)(資本金16億2588万8594円、東京都台東区元浅草1-1-1、井上義幸社長、従業員179名)は、7月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は松村正哲弁護士(東京都千代田区丸の内1-6-5、電話03-6212-8390)ほか6名。当社は、江戸時代後期にあたる天保年間創業の三河の木材商を前身として1943年(昭和18年)に法人改組した(株)三平興業から、1985年(昭和60年)11月に建設部門を独立する形で設立。首都圏を営業地盤とし、中層マンション、戸建てなど民間住宅を主体に事務所、ホテル、学校、工場倉庫などにも実績を残し、91年10月に店頭上場。長年にわたり培った技術力は業界内でも高い評価を得て中堅ゼネコンとしての地位を確立し、東京本社のほか東北(仙台市)、北関東(栃木県黒磯市)、長野(長野市)、埼玉(さいたま市)などに事業所を設置するほか、不動産販売やリフォームを手がける関係会社を設立するなど積極的に展開していた。メーンバンクのりそな銀行から役員派遣を受けるほか同行および同行グループ会社からも出資を受けるなどの親密な関係のもと支援体制が敷かれ、マンション工事の受注が堅調に推移していたことでピーク時となる99年3月期には年売上高約804億7000万円を計上していた。2001年10月には東海建設(株)(負債243億円、東京都、破産)に10億円弱の不良債権が発生。また、過剰債務のゼネコンとして信用不安は根強く、2003年11月に「抜本再建計画」を策定。陣容をほぼ半減する人員削減を中心に、所有不動産の売却、2004年3月には債務免除を中心とした総額267億円の金融支援を受けて減資を実施し、信用不安は沈静化していた。しかし、主力であるマンション工事の受注は大手ゼネコンの参入などから競争が激化、建築単価引下げ圧力が強まり、利益確保のため選別受注に努めたことなど年売上高は、2000年3月期の約637億5300万円から2008年3月期には約320億3100万円にまで落ち込んでいた。この間、2007年後半頃から、米国のサブプライムローンに端を発する世界的な金融不安などの影響から不動産・建設業界を取り巻く環境は急激に厳しくなった。こうしたなか、7月に(株)ケイ・エス・シー(負債約108億円、東京都、破産)に約6億円、(株)興大(負債約55億円、東京都、破産)に対し約14億2600万円の不良債権が発生。7月末の支払いのメドが立たず今回の事態となった。負債は約167億7400万円。なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、18日の(株)ゼファーに続いて10社目(元・大証ヘラクレス上場のエー・エス・アイ(株)を入れると11社目)。上場企業倒産が10社を超えたのは、2004年の10社(上場廃止の2社を含めると12社)以来。


2008年07月18日

(株)ゼファー

ゼファー

市場東1
コード8882
発行株数297,881
単位株数1
倒産時株価16700
廃止時株価78
倒産日08.07.18
廃止日 
負債94,948百万円
資本金
13,443,378千円
所在地
東京都
態様
民事再生法

メモ/記事引用
「東京」 (株)ゼファー(資本金134億4337万8674円、中央区日本橋浜町3-3-2、代表飯岡隆夫氏、従業員198名)は、7月18日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は綾克己弁護士(東京都千代田区麹町3-5-1、電話03-3222-7850)ほか5名。監督委員には、瀬戸英雄弁護士(東京都千代田区九段北4-1-3、電話03-3239-3100)が選任されている。当社は、1994年(平成6年)2月に(株)和幸開発の商号で設立されたマンション分譲会社。東京、千葉、埼玉、神奈川を主要エリアとしていたが、近時は地方都市での展開も積極的に展開していた。96年8月に、大手冷凍食品メーカーの加ト吉およびその関連会社からの出資を得て、実質的に同社の子会社となり、現商号となった。2000年7月に店頭上場、2001年12月に東証2部上場、2004年11月には東証1部に上場し、業容を拡大していた。しかし、2005年3月に関連会社(持分法適用外)の(株)ホテルシステム研究所(福岡市)が東京地裁に民事再生手続開始を申請(その後破産)。2005年9月にはSBIホールディングス(株)(東証1部)との資本提携によって、SBIグループが筆頭株主となっていた。2006年1月には、近藤産業(株)(大阪市)の株式50%を取得して子会社化し、同年11月には連結子会社としていた。この間、不動産ブームの追い風もあって業績は急拡大、2007年3月期の年売上高は約1099億600万円を計上していた。ところが、昨年後半からの不動産市況の急激な冷え込みから、物件の売却が滞るなどしたことで、2008年3月期は年売上高約810億5200万円にとどまっていたうえ、今年5月には近藤産業(株)が自己破産を申請したことで関係会社整理損約142億6400万円を計上、大幅な最終赤字を余儀なくされ、当社への信用不安が再燃するなど動向が注目されていた。負債は約949億4800万円で、負債規模は六本木開発(株)(負債1340億円、東京都、2月破産)に次いで今年3番目の大型倒産となる。なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、キョーエイ産業(株)(ジャスダック上場、広島県)に次いで10社目。


キョーエイ産業(株)


市場ジャスダック
コード1744
発行株数7,200,000
単位株数1000
倒産時株価63
廃止時株価1
倒産日08.07.18
廃止日 
負債8,737百万円
資本金
589,165千円
所在地
広島県
態様
民事再生法

メモ/記事引用
「広島」 キョーエイ産業(株)(資本金5億8916万5000円、広島市安佐南区西原6-1-1、石田淑行社長、従業員145名)は、7月18日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は松尾慎祐弁護士(東京都千代田区内幸町1-1-7、電話03-5511-4400)ほか7名。当社は、1975年(昭和50年)3月に設立された建築工事、不動産賃貸業者。賃貸マンションの建設などを手がけていたほか、88年には「一括借上システム」(施主との間に、当社が査定した賃料で建物の全室と駐車場など一括して借り上げる契約)を業界に先駆けて導入し、不動産の有効活用を提案する営業展開により事業を急速に拡大。99年6月には株式店頭公開(現・ジャスダック)を果たしていたほか、営業拠点を広島市近郊から福岡、福山、東京などにも設置したことで売り上げ規模は地元業界屈指の規模へと成長し、2005年3月期には年売上高約126億3000万円に達していた。しかし、類似したサービスを行う同業者との競争激化や引当金の計上などで収益は低調に推移。財務基盤は脆弱であったほか、運転資金などを中心に外部資本への依存度が高くなっていた。このため、2005年以降はM&Aによる東京、大阪地区の迅速な新規市場開拓、異業種との連携による高齢者向け市場の開拓を進めたほか、投資用分譲マンション等の不動産販売事業を展開。エリア拡大による売り上げの確保と収益拡大に努め、2008年3月期は高齢者用専用賃貸住宅の受注獲得や投資用マンションの販売・開発に注力した結果、約197億1200万円の年売上高を計上していた。一方で、不動産購入資金などを借入金で賄っていたうえ、昨年後半からの不動産市況の低迷に伴い当社の信用収縮が進み資金繰りは急速に悪化。販売用不動産以外の資産売却を図り借入金残高の圧縮に努めるなどしていたが、抜本的改革には至らなかった。こうしたなか、今月に入りさらに資金繰りは悪化、民事再生手続による再建に踏み切った。負債は2008年5月31日現在で約87億3713万円。上場企業の倒産は、元・大証ヘラクレス上場のエー・エス・アイ(株)(旧・(株)アスキーソリューションズ、東京都)に続き9社目。 


2008年07月11日

エー・エス・アイ株式会社(旧商号・株式会社アスキーソリューションズ)


市場ヘラクレス
コード3801
発行株数14,726
単位株数1
倒産時株価上場廃止後倒産
廃止時株価3180
倒産日08.07.11
廃止日

メモ/記事引用
「東京」 元・大証ヘラクレス上場のシステム開発会社、エー・エス・アイ(株)(旧商号(株)アスキーソリューションズ(7月1日商号変更)、資本金5億8755万400円、渋谷区渋谷2-15-1、代表田北幸治氏)は、7月11日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は長屋憲一弁護士(東京都千代田区平河町2-4-13、電話03-5226-1122)。監督委員は大貫裕仁弁護士(港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)。当社は、「ASCII」で知られる出版業の(株)アスキー(当時)のネットメディア事業部が分離独立したもので、1982年(昭和57年)9月設立の休眠会社を買収して、2002年6月に営業を開始した。システムソリューション事業およびパッケージソフト事業を手がけ、2006年4月には大証ヘラクレスへ上場を果たすなど徐々に業績を伸ばし、2006年3月期には年収入高約22億2200万円を計上していた。翌2007年3月期も年収入高約23億9700万円を計上していたが、実質キャンセルとなった一部の大型受託案件における先行開発費の処理損などにより、独立後初となる経常赤字約4億6200万円を計上、最終段階でも約7億4400万円の損失となっていた。ところがこの大型受託案件の損失について大証は、2007年5月に2007年3月期の半期報告書の後発事象で触れなかった虚偽記載にあたるとして、当社株式を監理ポストに割り当てた。これに対し当社は「組織ぐるみの半期報告書の粉飾といった故意に基づく悪質な行為は認められなかった」とする調査報告書を提出、8月に監理ポスト割当解除となっていた。その後、同期決算の影響で資本増強策として、8月に役員・従業員に対する第三者割当増資を実施、11月にはオリックスとの資本業務提携を予定していた。しかし、同社より不適切な会計処理を指摘され、同社への第三者割当増資は中止となっていた。2008年3月期中間決算の有価証券報告書も法定提出期限に間に合わず、12月には再度当社株式が監理ポストに割り当てられる事態となったうえ、金融庁が今年2月、有価証券報告書等に虚偽記載があったとして課徴金納付命令を決定、信用不安が高まっていた。さらに3月には、個人を筆頭とする融資団に対する第三者割当増資を予定していたものの、払込期限の31日までに申し込みが行われず、5月23日には虚偽記載に該当していたことで上場廃止となっていた。負債は約9億1600万円。


2008年07月05日

真柄建設(株)


市場東1、大1
コード1839
発行株数49,878,872
単位株数1000
倒産時株価40
廃止時株価1
倒産日08.07.05
廃止日 
負債34,800百万円
資本金
6,932,156千円
所在地
石川県
態様
民事再生法

メモ/記事引用
「石川」 東証・大証1部上場で、北陸地区では有数の地場ゼネコン、真柄建設(株)(資本金69億3215万6989円、石川県金沢市彦三町1-13-43、代表奥村弘一氏ほか1名、従業員638名)は、7月5日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は上甲悌二弁護士(大阪市中央区北浜3-6-13、電話06-6202-1670)ほか8名。監督委員には浦田和栄弁護士(大阪市中央区北浜2-5-23、電話06-6231-3210)が選任されている。当社は、1907年(明治40年)3月に「真柄組」として創業、その後「柴田組」と統合し、43年(昭和18年)6月に(株)真柄組を設立。62年(昭和37年)9月に現商号となり、翌63年に大証2部へ上場を果たした(72年2月、東・大・名証各1部指定)。北陸地区唯一の上場ゼネコンとして高い知名度を誇り、マンション、学校、病院、工場、商業施設などを中心とした建築工事を主力に、土木工事を手がけ、特に大型の公共施設建築物件を主体とした受注基盤を構築。また、東京本社や大阪、名古屋、九州支店に加え、各地に営業所を開設するなど、特に西日本地区で強みを発揮し、96年3月期は年売上高約1182億600万円を計上していた。しかしその後は、全国的な大型公共工事の削減などに伴って受注環境は徐々に悪化。2005年3月期の業績は年売上高が約727億2600万円とダウンするなか、減損会計などに伴う損失処理を進めるにあたり、主力行である北國銀行及び北陸銀行を引受先として各60億円、合計約120億円の優先株を発行していた。近年は、地元以外でのマンションをはじめとする民間受注の獲得に注力したことで、2007年3月期の年売上高は約816億2200万円と回復傾向を見せていたが、昨年12月には大阪支店における不適切な会計処理が発覚。同社株式が監理ポストへと指定されたほか、今年2月には2005~2007年3月期までの有価証券報告書を訂正するとともに、この関連の損失処理が総額で44億円超におよぶことを明らかにしていた。2008年3月期の決算では、年売上高約844億9800万円に対し約27億5300万円の最終赤字となるなか、「新中期経営計画」を発表し、創業一族に代わって北國銀行出身の新代表の就任とともに、40億円程度の優先株発行などの資本政策を明らかにしていた。ところが、6月30日になり工事の発注を受けていた(株)愛松建設(名古屋、負債約154億円)が民事再生法の適用を申請。新たに請負代金の回収不能の恐れが生じたことから、7月7日および10日の決済資金約70億円を確保することが困難となり、今回の事態となった。申請時の負債は金融債務約100億円、一般債務約240億円など約348億円。なお、今年に入ってからの上場会社の倒産は、(株)スルガコーポレーション(横浜市、6月)についで7社目。また、上場ゼネコンの倒産は2007年9月の(株)みらい建設グループに次いで20社目となった。