2003年05月

2003年05月29日

大江工業(株)

大江工業

市場東2
コード6394
発行株数10,000,000
単位株数1000
倒産時株価41
廃止時株価
倒産日'03.05.29
廃止日 
負債2,975百万円
資本金
500,000千円
所在地
神奈川県
態様
民事再生法

メモ/記事引用
東証2部上場の大江工業(株)(資本金5億円、神奈川県平塚市四之宮7-3-1、登記面=東京都品川区南大井6-17-16、岡野宏規社長、従業員117人)は、5月29日に東京地裁へ民事再生法を申請した。申請代理人は小田木毅弁護士(東京都千代田区丸の内3-2-3、電話03-3214-4731)。同社は、化学工業用の機械製作を目的として、1928年(昭和3年)11月に創業、36年(昭和11年)3月に法人改組した。元々は耐酸、耐腐食、耐熱機器の専門メーカーで、62年10月に東証2部へ上場していた。その後、平塚工場(神奈川県平塚市)を生産拠点として、73年2月に原子力機器専門工場を設置するなど、得意のステンレス加工技術を生かして原子力分野の市場開拓に力を入れ、特殊合金材料の貯槽、反応器、熱交換機などの原子力関連機器や、試作研究設備、廃棄物処理装置など化学工業用装置の設計、製作、及び据付配管を行っていた。得意先は重化学工業会社をはじめ、原子力関連事業団、各電力会社、及びエンジニアリング会社などを主体とし、使用済み核燃料の貯蔵、冷却用プールのライニング(耐腐食のステンレス内張り、チタン溶接)工事で、高い国内シェアを占めるに至り、ピーク時の92年3月期には年売上高約57億9800万円を計上していた。しかし、近年は国内原子力事業において事故、不祥事、反対運動が発生するなど、原子力関連を主力とする同社にとって厳しい経営環境が続いていた。とくに、同社が溶接工事した青森県六ヶ所村の使用済核燃料再処理施設の貯蔵プールで水漏れ不具合が発生、この影響で受注も落ち込み、2003年同期の年売上高は約15億8800万円にまで低下し、損益も粗利段階で赤字が続くなど厳しい業況が続いていた。また、設備投資などに伴う借入金が年商規模近くにまで膨らんでいたため、不動産売却、リストラ策など財務改善に努めていたが、本業の業況好転が困難になっていた。今年4月から東証で適用になった時価総額による上場廃止基準にも抵触する恐れが生じるなど、対外信用も低下し、資金繰りも急速に悪化していた。負債は約29億7500万円。なお、子会社の大江エンジニアリング(株)(資本金1000万円、東京都品川区、坪木勇男社長、従業員2名)は、同日東京地裁へ自己破産を申請した(負債約2億2500万円)。今年に入っての上場企業の倒産は、共栄冷機工業(株)(ジャスダック(店頭)上場、負債89億2100万円、東京都、5月19日会社更生法)に続いて9社目となる。 


2003年05月19日

共栄冷機工業株式会社

共栄冷機工業

市場ジャスダック
コード1829
発行株数30,730,000
単位株数1000
倒産時株価102
廃止時株価
倒産日'03.05.19
廃止日 
負債8,921百万円
資本金
2,027,200千円
所在地
東京都
態様
会社更生法

メモ/記事引用
ジャスダック(店頭)上場の共栄冷機工業(株)(資本金20億2720万円、東京都渋谷区鶯谷町3-12、登記面=埼玉県さいたま市大成町1-568-5、丹義明社長、従業員195人)は、5月19日に東京地裁へ会社更生法を申請した。申請代理人は山川隆久弁護士(東京都港区虎ノ門1-19-10、電話03-5532-1871)。保全管理人には北秀昭弁護士(東京都港区虎ノ門2-9-9、電話03-3509-1616)が選任されている。同社は、1961年(昭和36年)6月に冷暖房空調設備工事などを目的として創業され、62年(昭和37年)4月に法人改組した。空調、冷凍、給排水など建築付帯設備工事の設計、施工、保守を行う独立系の管工事中堅業者で、近年の工事別売上比率は、空調、衛生設備工事77.6%、改修工事16.2%、その他6.2%となっていた。東京本社のほか、埼玉、千葉、神奈川などに支店を設置、関東一円を営業基盤に官公庁をはじめ大手ゼネコンなど多数の得意先を有し、94年3月期には年売上高約240億5500万円を計上、その間、93年8月に店頭上場を果たしていた。その後は、長引く景気低迷の影響から業界全体の受注量が減少したことに加え、同業者間の競争も激化し、2002年同期の年売上高は約152億4800万円に減少。不採算工事から収益面も低調に推移し、約10億9800万円の経常損失、約22億4000万円の当期損失を計上し、連続欠損を余儀なくされていた。このため、2003年1月には(株)ジパング(東京都)を引受け先に第三者割当増資を実施し、経営体制を刷新。同時に、収益性重視の受注体制、経費削減などを徹底することで立て直しに努めていた。しかし、2003年同期においても業績の下方修正を強いられ、3期連続の欠損計上となるなど経営環境は改善せず、今後の資金調達も困難視されるなか、自力での再建を断念し今回の措置となった。負債は約89億2100万円。なお、2003年の上場企業の倒産は、大和建設(株)(負債230億5300万円、東京都、5月2日民事再生法)に続き8社目となる。


2003年05月02日

大和建設(株)

大和建設

市場東2
コード1829
発行株数10,000,000
単位株数1000
倒産時株価31
廃止時株価
倒産日'03.05.02
廃止日 
負債23,053百万円
資本金
500,000千円
所在地
東京都
態様
民事再生法

メモ/記事引用
東証2部上場の大和建設(株)(資本金5億円、東京都文京区湯島1-5-34、黒川博道社長、従業員124人)は、5月2日に東京地裁へ民事再生法を申請した。申請代理人は今井健夫弁護士(東京都新宿区新宿2-8-1、電話03-3356-5251)ほか。同社は、1947年(昭和22年)3月に設立された建築工事業者。62年9月に東証2部に上場し、近年はマンションデベロッパー大手のダイア建設(株)(東証2部上場)と親密な関係を築き、同社が株式の27.15%を保有するなど、ダイア建設系列の建設会社として知られていたほか、旧・あさひ銀行(現りそな銀行)出身者が役員として参画するなど、同行とも親密な関係を築いていた。近時の官民比率は民間91%、官公庁9%で、事業比率は建築工事98.2%、土木工事0.4%、不動産事業1.4%となっており、マンションブームを背景に、98年3月期には年売上高約513億4400万円をあげていた。その後は、受注単価の落ち込みから業績は低迷を余儀なくされ、2000年同期の年売上高は約402億3000万円にとどまり、貸倒引当金など特別損失を計上したことで、約11億9300万円の最終赤字となり、この間、旧・日債銀からの借入金が整理回収機構へ移管されていた。さらに、2002年同期の年売上高は約342億4800万円に落ち込み、未成工事支出金整理損や貸倒引当金計上から約142億7300万円の最終赤字を計上、同期で大幅な債務超過に陥っていた。このため、2002年5月には整理回収機構、ダイア建設および当社間で「債権譲渡等に関する基本合意書」を締結。同年8月にはダイア建設から145億円の債権放棄を受けるなど立て直しに努めていた。こうしたなか、2003年3月に大口取引先の(株)セザール(東京都、負債594億7300万円)が民事再生法を申請。請負工事債権約13億円の回収が困難となっていたうえ、2部上場を維持するためには時価総額10億円を満たさなければならず、上場維持も困難となっていた。負債は約230億5300万円。なお、今年に入ってからの上場会社の倒産は、北海道振興(株)(北海道、負債345億9900万円、4月民事再生法)に続いて7社目となった。また、上場ゼネコンの倒産は、東海興業(株)(97年7月)以降、13社目となる。