2005年09月29日
勝村建設(株)
市場 | 東1 |
---|---|
コード | 1817 |
発行株数 | 32,806,679 |
単位株数 | 1000 |
倒産時株価 | 136 |
廃止時株価 | |
倒産日 | '05.09.29 |
廃止日 | |
負債 | 31,600百万円 |
資本金 | 303,795千円 |
所在地 | 東京都 |
態様 | 民事再生法 |
メモ/記事引用
東証1部上場の総合建設業、勝村建設(株)(資本金3億379万5688円、東京都台東区根岸1-2-13、代表大原雅樹氏、従業員427人)は、9月29日に東京地裁へ民事再生法を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は大貫裕仁弁護士(東京都千代田区丸の内2-1-1、電話03-5219-0003)ほか。監督委員には加々美博久弁護士(東京都港区虎ノ門3-8-21、電話03-3437-2211)が選任されている。当社は、1918年(大正7年)2月創業。その後、合資会社を経て、47年(昭和22年)2月に別途(株)勝村組を設立して同事業を吸収。翌48年3月に現商号へ変更した総合建設業者。61年に東証2部、74年には東証1部へ上場を果たし、札幌、仙台、横浜、名古屋、福岡などに支店・営業所を有し、ピーク時の93年3月期には年売上高約728億3600万円をあげていた。近時の事業比率は、マンション・ビル・倉庫・病院等の建築工事67%、道路基礎工事等の土木工事33%(官民比率=官公庁受注47%、民間受注53%)で、首都圏を地盤とする中堅の上場ゼネコンとして知られていた。しかし、90年代後半以降は、公共事業の抑制など建設市況の低迷を背景に、赤字受注の発生や材料価格の高騰などの要因から売り上げ、採算性はともに悪化し、2005年同期の年売上高は約410億6300万円にダウン。また、同期末には営業損失および経常損失の発生や、営業キャッシュフローの大幅な悪化などを理由に監査法人から「継続企業の前提に関する重要な疑義」の注記がなされていた。こうした状況を打開すべく、今年5月には代表・役員の交代、減資およびメーンバンクへの増資要請、コスト削減による収益力改善と財務体質の健全化などを盛り込んだ「中期経営改善計画」(2005年4月~2008年3月)を発表、2007年同期からの黒字(当期純利益)化を目指すとしていた。しかし、7月7日に同社執行役員が東京都発注の水道工事の入札過程において、談合を拒んだ会社社長らを脅したとして逮捕され、同氏がこれまで同工事の談合を仕切っていたことが表面化。これを受けて国土交通省(9ヵ月間)のほか、東京都(12ヵ月間)をはじめとする各地方公共団体から計422件(9月16日現在)の指名停止処分を受け、7月・8月の受注高はそれぞれ前年比74%、61%にまで低迷。メーンバンクに対し要請していた30億円規模の増資要請は不調に終わり、また、9月30日の決済(15億9700万円)および10月5日の決済(11億2700万円)が困難な状況となり、自主再建を断念した。負債は2005年8月末時点で金融債務約92億円を含め約316億円。なお、今年に入って上場企業の倒産は、日本エルエスアイカード(株)(大証2部、7月、任意整理、負債4800万円)に続いて7社目となるが、東証1部上場企業の倒産は今年初めて。また、上場ゼネコンの倒産は、今年5月に民事再生法を申請した(株)松村組(大証1部、負債833億円)以来となる。